豆知識 双子に関する+α


 このページでは、双子関連のちょっとした+αの説明をしたいと思います。


※一卵性、二卵性の区別

 双子を妊娠時、出産時に、「おそらく一卵性です」「多分二卵性です」などと、医師から告げられることが多いらしいですね。

 この医師の言葉に従って、「うちは一卵性なんだ」「我々は二卵性なのね」と思っている方の中で・・・・・「でも、一卵性って言われたけどあんまり似てない・・・」「二卵性と言われてたとはいえ、似てるけどなぁ」と疑問に思った、親&本人の方は、かなりいらっしゃるようです。

 実は・・・・・専門家ではない普通の産婦人科医の知識は、それ程高くないので、実際には卵性判断が間違っていることがあるようなのです。


 そもそも、「胎盤の数が1つにみえるから一卵性」「胎盤が2つだから二卵性」というのは、誤解。


 二卵性の場合、胎盤が1つにみえる(融合している)場合と胎盤2つの場合の割合は、ほぼ50%ずつです。

 一卵性の場合、約30%は(着床前)受精後3日以内に分離し、その後は二卵性の双子とお腹の中では見分けがつかない状態になります。そして、胎盤がくっつくか、2つに離れるかは、どちらも半分の確率。
(胎盤2つになる確率が、一卵性の約15%程度。この早期分離系の場合は、外見がうり二つとまではいかないこともあるらしい?)

 上記の場合が、「2羊膜2絨毛膜性融合双胎胎盤」又は「2羊膜2絨毛膜性分離双胎胎盤」。
(「融合」とはいっても、胎盤が1つに見えるというだけで、実際の胎盤の機能は全く別々に働いているようです。なので、2人の血液等が混じり合ってしまうことはないです。二重の膜によって2人は隔てられています)


 一卵性の残りの約70%は、(着床後)受精後3〜8日(希に9日以降)の時に分離します。
 この場合、胎盤は1つ。そして、赤ちゃんを包む一番外側の膜の、「絨毛膜」という部分が1つ。
 3〜8日目に分離した場合は、2人の間に「羊膜」で仕切りが出来る(2羊膜)が、それ以降に分離の場合、2人の間に仕切りが何もない(1羊膜)状態。 (「2羊膜1絨毛膜性双胎胎盤」と「1羊膜1絨毛膜性双胎胎盤」)

 基本的には、着床した受精卵1つに対して「絨毛膜」部分は1つ、着床した時点で2つの卵になっていれば、「絨毛膜」(&羊膜)は2つ(2人が絨毛膜で仕切られている)ということなので・・・・・着床後に分離の一卵性だけが「絨毛膜」が1つ(2人が絨毛膜では仕切られていない状態)であり、「1絨毛膜」=一卵性、です。

 しかし、最近の研究によれば・・・「生殖補助医療(体外受精等)」を行った上での二卵性のうち、幾例かが従来は一卵性特有だと思われていた「1絨毛膜」の状態になっていた、ということです。自然状態では起こらないものの、体外で受精させ、胚を育ててから・・・という過程を踏んでいる為、かもしれませんが、よく分かっていないようです。
(胎盤を共有してしまう為、それが男女の双子だった場合、血液中にXXとXYの細胞が混じってしまっている?状態になることが・・・・・ややこしいことが起きる可能性がある、らしい・・・・・・・?)


 但し、この「膜性診断」をする為には、妊娠の初期(妊娠12週程度以前・・・もっとも適した時期は妊娠7〜8週?)に観察しない限りわかりにくいですので、この時期を逃した(15週以降)場合、妊娠中の判断は不可能になるようです。

 ここに挙げた診断というのは、一卵性か二卵性か調べるということではなく、「1絨毛膜」状態の妊娠の場合、無事育つかどうかのリスクが高くなる為、膜性診断を行うのです。

 ですから、出生前、妊娠の初期に「膜性診断」を受けた場合には、それは「卵性診断」というわけではなく、一卵性とわかる(組もある)のは付録に過ぎません。

 そして、膜性をきちんと言われたわけではなく、かなり大きくなった後、単に超音波検査で「ここに胎盤が1つ見えるでしょ」「ああ、胎盤がこちらとこちらに離れていますね」などと言われていた場合には・・・・・・そのことで「一卵性?」「二卵性?」と判断してしまう場合もあり・・・・・おそらくは、全く当てになりません。
(特に、性別と血液型が同じ場合には、出生前に「二卵性」と判断するのは不可能です! 同性同血液型なのに「おそらく二卵性」という言葉を医者に言われたとしても、鵜呑みにしてはいけません・・・・・)


 性別か血液型が違う双子の場合には二卵性と確定しますが、「同性の同血液型」双子の場合、二卵性であるかどうかというのは、生まれた後にわざわざ厳密な検査をしない限りはわかりません。

 「遺伝子マーカー検査」というものを用い、遺伝子的に同一であるかどうかを調べれば、一卵性か二卵性か知ることが出来ますが、この検査はどこでも受けられるわけではなく、かかる費用もかなり高額です。

 ですから、普通はそういった高額の検査を受けることなく、問診票を用いて一卵性か二卵性か判断します。
 その質問を判断基準として用いるとすれば、「満1歳頃のそっくり度合い、親しい人に間違えられる頻度」が決め手となって、「一卵性である」「二卵性である」と判断されるようです。
 つまり、幼い頃にそっくりではなかった双子の場合、ほぼ間違いなく二卵性であるということですね。
(一方が、病気などで極度に発育不良だった、等の特別な事情があれば別だと思いますが・・・・・・)

 きょうだいとしてそっくりなのか、一卵性としてそっくりなのか、問診ではわからない部分もあるでしょうが・・・
 小さい頃はそっくりだったとしても、物心ついてからは意識的に性格や行動を違えさせることもあり、その結果徐々に顔つきが違ってくることも。
 歳を取ると普通の兄弟でもかなり似てくる場合があるので、幼い頃は似ていなかったが40歳頃には似てる、という場合もあり得るかも・・・・・・しかし、その場合は二卵性・・・?


 卵性というモノは、双子の話題になると必ずと言っていい程、話題になるようです。
 特に、うり二つという程ではないが似ている・・・・・というような微妙な双子の場合、聞かれる頻度も多くなるかもしれません。

 血液型が違う双子なのにそっくりだった場合に、「一卵性よね」と言われた場合・・・・・ま、「血液型が違うから二卵性なんだけど、兄弟でそっくりな人もいるじゃない、あれと同じよ」と流せればいいんですけど・・・・・・・

 しかし、研究者が研究する時には区別が必要なものですが、実際問題として、一卵性だろうが二卵性だろうが、2人とも「1人の個人として独立した人間」であると同時に、かけがえのない「もっとも身近な人」である・・・・・・・だから、卵性を気にする必要はないのではないか・・・・・?

 いや、「お腹の中からずーっと一緒に育って、仲良しなの!」っていう点だけで「双子なんだよ〜」と言いたくても、「でも全然似てないよね」という一言さえなければなぁ・・・・・・・と・・・・・「似てない双子」としては思うわけですよ。

 「双子=うり二つ(=一卵性)」という意味になっている状況を、なんとか「双子=同じ時期、母親の中にいた、もっとも近い関係のきょうだい」っていう意味に、きちんとならないかなぁ〜〜〜〜〜・・・とね。


 ちなみに、2006/10/25(Wed)放映の『ザ!世界仰天ニュース』にて、これまで「自分たちは二卵性だ」と言い張っていた双子のタレント「マナカナ」は、遺伝子検査の結果、一卵性だと証明されました。
 あまりにも言い張っているので、私は遺伝子検査をした上でそうなんだろう、それなのに似てるのは凄いなぁ、とそれまで思ってました。
 でも、実際はやっぱり「全く知識がない産婦人科医が、おそらく胎盤の数で判断したことを鵜呑みにしていただけ」だったんですね。
 ・・・少し調べれば、そうじゃないかとわかるはずなのに、それまでやらなかったのは「二卵性なのに似てると驚かれる」のを売りにしたかったとしか思えないんですが・・・・・・。


 あと、生殖補助医療を行った場合は多胎の確率が高まる為に、普通は二卵性です。但し、一卵性である確率が0%というわけではない。
 着床前に1つの受精卵が分離、その2つのみが離れた所に着床し、無事に育ったという場合には、「胎盤が2つに分かれている一卵性」状態になりますからね。
 なので、「生まれる前から二卵性とわかっている」ことは、絶対にあり得ません。





※ちょっと特殊な一卵性双子

 実は、極々まれに男女の双子でも「一卵性」と言える双子が存在するらしいです。

「おまえ、それじゃ今まで語ってきたことはいったい何なんだ!!!」

 と言われてしまうと思いますが・・・・・いや、一卵性と言っても通常使う一卵性の意味ではないので、今までは書かなかったんです。(書くとしても、中途半端な解説になるのであんまり書きたくなかった・・・(^^;)
 でも、まるっきり嘘とは言えないかもしれないのに「真っ赤な嘘」と言い切っていると、自分の方が嘘つきになる(苦笑)・・・・と言うことで、ちょっと解説。


 通常使う「一卵性」とは「双子の説明」で書いた通り、1つの卵子に対して1つの精子が受精し、受精後にその1つの受精卵が2つに分かれて2人になった・・・・・という双子のことです。


 ところが、卵母細胞から卵子が出来る時に、同じ遺伝子を持つ卵子がたまたま2つ生成されることがある(かも知れない、という推測の域を出ていない説のようですが)ので、その遺伝子的には全く同じ卵子2つとそれぞれ別の精子が受精した場合、それは一卵二精子性双生児(卵母細胞性双生児)ということになります。

 この場合、母親由来の遺伝子は全く同じ物ですが、父親の精子の遺伝子情報は違います。
 ですから、この場合性別を決定する精子が2つありますから、X精子とY精子という組み合わせだった場合には、一卵性(通常の一卵性の意味ではないけど)にもかかわらず性別が違う、ということが起こり得ます。


 ちなみにですね・・・・・・・恥さらしとも言えなくもないのですが、ここの欄を書き換える前に書いてあった、「1つの卵子に2つの精子が全く同時に受精し、その受精卵が2つに分かれて2人になった」という説明の双子は・・・・・・・・・・・・・おそらくは、存在できないらしいです(苦笑)。

 というのも、その状況に実際なると、「多精子受精」と呼ばれる状況になり、うまく育たないらしいのです。
(1つの精子が卵子にたどり着いたら、他の精子が入ってこられないようにバリアを張るため、2つの精子が同じ卵子と受精することは通常はありません ただし、卵に手を加えて受精しやすくするなどの体外受精の場合なんかには、これが起こりやすくなるようです)

 ・・・・・こんな説を書いていたのは、ひとえに私が「昔々出版された双子についての本」を参考にしていたためでして・・・・・でも、今一般的に多精子受精は育たないという認識になっているようなので、この説は引っ込めます(苦笑)。


 話は戻りますが・・・・・
「じゃぁ先生方の作品だって、まるっきり間違っているとは言えないじゃないか!」

 ・・・と言えなくもないです(^^; 
 一卵性双生児の本来の意味である、「遺伝的に全く同じ」な双子という定義とは違いますが、少なくとも半分が同じ成分(^^;ですので、普通の兄妹(姉弟)よりは似ている確率が高い・・・と思います。

 ですけどねぇ・・・・・こんな特殊な状況で生まれる双子というのは滅多にいませんし(まだ確定的な説ではありません)、なによりこのような知識を持っている作者の方っていらっしゃるんでしょうか?


 あ、上記の双子以外にも、「一卵性だけど性別が違う」可能性がある双子がありますけど・・・・・・お腹の中で育つ課程で一方が仮性女性になって生まれてしまった場合など・・・。
(これについては・・・「物語で一般的に想定されている普通の男女の双子」とは全く違う状況になりますので、「物語の男女の双子があり得るか」という視点で書いているうちの主旨として、この件に関する説明はしません)





※でもやっぱり双子は似ている?

 これまでのページでは、二卵性の双子は「似ていると言っても兄妹(姉弟)として似ているだけで、それ以上でもそれ以下でもない」と書きました。

 しかし、ある意味では「兄妹(姉弟)として」似ている以上の意味があります。

 それは、生まれたときからずっと、一番身近な存在として生活を共にする人だからです。

 周囲(親など)が長幼の別無く接し、男女の性差もやかましく言わないという状況であれば、普通に兄妹(姉弟)として育つよりも似てくるかもしれません。
 生まれ育った環境は、人間に多大な影響を及ぼすものですから。
 (これは、二卵性で生まれた男同士、女同士の兄弟(姉妹)であっても同じことです。だから、判断が難しい双子がいるんですし・・・一卵性だって、環境が違えば似ない場合もあるでしょう。全然環境が違っても、そっくりという双子もいますけど)

 ・・・・・とはいうものの、あくまで「似ている」というレベルにとどまり、入れ替わっても気がつかないという「お話のような出来事」が出来るほどそっくりな兄妹(姉弟)というものは、たぶん実際にはいないだろうなぁ・・・と思うんですが。(でも、性差のほとんどない子供の頃なら可能かな(^^;?)

 実際に入れ替わりが思春期以降も可能というのは、一卵性の双子だけだと思います・・・・・(^^;;;
(それにしても、一卵性の場合でも結構似なくなっている場合もありますけどね)


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